TOEFL受験の概要については下の記事にまとめてありますので、そちらをご参照ください。
この記事では、特に難関であるSpeakingについて別途まとめます。
結果
Speakingは30点中22点でした。Speakingは非常に苦戦したので、100点突破の足を引っ張らなかったことにはホッとしましたが、正直、体感ではもう少し取れたような気がしていました。今となってはリスニングがうまく言ったかなどが証明できないので難しいですが、反省も交えながら書いていきます。
TOEFLのSpeakingは準備時間も与えられますし、リスニングパートをパラフレーズしながら繰り返すだけでいいので、慣れてしまえばIELTSや英検よりも簡単ではないかと私は思っています。本番でも、シンプルな文を積み重ね、聞いたことをより簡単にして伝えただけでした。
私の勉強法
使った教材は以下のとおりですが、手近な図書館にあったものを借りたので、新形式に対応していない物が多かったです。そういう場合は問1と5を飛ばせばだいたい新形式になります。
- DMM英会話(プラスネイティブプラン)
- まるわかりTOEFL iBTテストスピーキング(Jリサーチ出版)
- 10日間集中 TOEFL iBTテスト スコアアップ大特訓 (アスク出版)
- 毎日ミニ模試TOEFLテスト iBTスピーキング(テイエス企画)
まずオンライン英会話です。これは勉強開始時点で既に一年半くらい続けており、Daily Newsを中心に毎日25分ネイティブの先生と話していました。それを出版社教材のTOEFL対策に切り替え、毎日行いました。教材は40回分しかないので全部やりました。最初の10回くらいはとにかく形式に慣れることで手一杯でした。
自分の回答は毎回録音していたのですが、怖くて全然聞けませんでした。20回くらい数をこなしたころ、意を決して聞いてみたところ「全然成長していない......」と非常に落ち込みました。聞き取れているけれど全然アウトプットできていない。ぐだぐだな喋り。メモも効率が悪い。すぐ止まる。特殊な形式には慣れたけれど、気持ちが慣れただけ......。
とりあえず上記の参考書を手当たり次第図書館で借りてきて、怒涛のSpeaking対策がスタートしました。
以下に、私なりの工夫をまとめます。
全体を通じて
TOEFL受験概要を記した下の記事でも書きましたが、まずはTOEFL公式模試やYouTube上にあるSample Answerとその点数を見て、自分の目指すレベル感と比較するのがいいでしょう。私はこの段階がかなり遅くて、もっと早くにやっておけばよかったと思っています。
そこからも言えることですが、
- マイナーミステイクは気にしない。
いくつかのマイナーミステイクがあっても意味が通じれば大丈夫とTOEFL公式も言っています。公式を信じずして何を信じるか。
英会話では、私は"a"と"the"、単数形と複数形を指摘されまくりました。正直心が折れそうでした。が、そんなもの、所詮はマイナーミステイク。それを気にして喋れないほうがもったいないです。(といっても、実践できるにはしばらくかかりましたが。)
- 止まらない。最後まで喋る。
IELTS等と違って、TOEFLのSpeakingは厳密な時間制限が設けられています。
が、いろいろな方の体験記を見るに、どうやら話し終わらなくても特に問題ないようです。あまりにも無駄なことをペラペラと喋り続けたり、2つある例のうち1つしか触れられなかった場合などは減点になるかもしれませんが、数秒オーバーするレベルであれば問題ないようです。分かったことだけでも良いから喋り続けることは、わからなかったからとそこで止まってしまうよりもずいぶんマシです。
最後に本番です。日本で試験を受けるなら、周りがボソボソ喋っていたり、もしかすると自分よりも発音が悪かくたどたどしかったりすることもあるかもしれません。
が、甘んじてはいけません。自分の目指すレベルのために、この教室で自分が一番うまいぞという気持ちで喋りましょう。
シンプルに
何はともあれ、シンプルに。本番3日前くらいに見つけて、最も私の回答を改善させた法則です。
私の場合、大体は時間内に収まるのですが、絶対に収まらない場合というのがいくつかありました。例えば複雑な心理学の実験や仮想の例を想定している場合、教授の実体験がやや込み入っている場合などです。そういった場面想定は文法もややこしく、教授のセリフを丸暗記して真似しない限り凄く時間を取られてしまっていました。
そこで導入したのが「シンプルに」のポリシーです。『まるわかりTOEFL iBTテストスピーキング』(Jリサーチ出版)は、もしかすると自分よりも目標点数の低いかもしれない受験者に向けたサンプルアンサーを載せていたのですが、そのサンプルの簡潔さに私は圧倒されました。こんなにシンプルでいいのか、と気づいたのです。
具体的な問題を使って解説はできませんが、たとえばある実験についての問題が出たとします。私は、以前は以下のように話していました。
調査者らは、40歳くらいの人々を10人集め、こうするように指示し、何分間の観察をしました。被験者らは、このような思考に基づいて、こういう反応をしました......。
これでもネイティブスピーカーからすれば特に難しいことを言っているわけではなく、十分に要約ができています。が、私からするとどうにも言葉が出てこず、実験の説明に何十秒もかかってしまいました。例えば、40歳の人を10人ってどういう順番で言うの?あれ、この実験は過去のことだから、時制は何だ?would?あああもう10秒しか残ってないぎゃあああ.......となっていたわけです。
それを、その日からぶつ切りにすることにしました。たとえば、
ある実験が行われました。被験者は、10人でした。彼らは中年でした。調査者は彼らにこうするようにいいました。結果、被験者らはこうしました。なぜなら、こう考えたからです。
こんな感じです。ずいぶんシンプルになりました。これなら何とか言葉が出てきます。
メモの取り方とか準備時間の使い方とかを色々試行錯誤したのですが、結局は自分の実力に対し、難しいことを言おうとしすぎていたのでした。
ただ、もしかするとこの限界が22点なのかもしれません。複雑なことが言えるに越したことはないのでしょうが、何も言えないよりはマシといったところでしょうか。
Integrated Task:メモ
全体的なリスニング力についてはListeningの記事で書いています↓
ので、スピーキングに特化したリスニングのことを書いてみたいと思います。
まずは向こうの方と重複しますが、私はメモを取りすぎるほうだったので、メモを取りすぎないように気をつけました。
というのも、話の中身自体はListening Partよりも少なく、そのような短時間で忘れてしまうことはほとんどないのです。
......といいたいのですが、Listeningパートとはわけが違いました。
Listeningパートでは、問題が出され、それに答えます。基本的にはある命題(選択肢)が事実かどうかを判断することの繰り返しなので、忘れなければ解けます。
しかしSpeakingは違います。自分で思い出し、適切な順番で話さないといけないのです。
私もいくつか「テンプレート」と呼ばれるものを使いました。が、それらもあくまで"She gave two examples. Firstly, ... Secondly, ..."というフォーマットを提供してくれるだけで、話の内容は自分で覚えていなければいけないのです。流石にこれはメモなしではできません。
なんなら、私はありったけメモを取ったほうがスラスラ喋れました。単語は聞けるし分かるのですが、勉強が中途半端なせいで正しい使い方、前置詞やコロケーションがわからないのです。そういうときにリスニングできいたことをフレーズごとメモしておけば、それを繰り返せば良いだけです。
初めはそうやって解いていたのですが、やはりメモを取りすぎているとリスニングに集中できず、大事なことを聞き逃してばかりいました。
一方、数多の参考書が勧めるように略語・頭文字を乱用すると、何を書きたかったのか思い出せなかったり、無理にその単語を使おうとして文法ミスが増えたりしてしまいました。
こんなアドバイス元も子もないですが、問題の性質、そして自分の性格と相談して、いい塩梅を見つけるしかなさそうです。
何の塩梅かといいますと、
- メモにかける時間――書き続けるか?リスニングの切れ目に書くか?
- メモの取り方――略語か?頭文字か?単語か?フレーズか?文か?主語だけか?日本語か?
こんなところでしょうか。私の場合は、リスニング音声が速い場合はリスニングの切れ目に単語を数個書くようにしていました。遅い場合は考えながら聞く余裕が生まれるので、音声を聞きながら時々略語を用いてメモを取りました。そして主語を何にするか悩むと文が始められないので、準備時間には各文の主語動詞をどうするかシミュレーションし、必要があればメモに書き込んでおきました。
Independent Task
ここがネックだと言う人も多いと思います。私は基本的には、
I agree with/ prefer ~~ for 2 reasons.
To begin with, ~~
Secondly, ~~
という言い方をしていました。to begin withとsecondlyが対応関係にあるのかはわかりませんが......。
そして、練習の段階で何度も失敗したのが、これにこだわりすぎたことでした。
だいたいにおいて、質の低い理由が2つか、質の高い理由が1つ、思いつきます。
質の高い理由1つのあとに、無理やり質の低い理由1つを付け足して、2つにしようとしてしまったのです。
そういうときは素直に理由を一つに絞って、45秒かけて1つの理由について話せばよかったです。
参考になるかわかりませんが、
2つの場合:
I agree with/ prefer ~~ for 2 reasons.
To begin with, (理由を簡潔に述べる). +補足説明1文
Secondly, (理由を簡潔に述べる). +補足説明1文
For these reasons, I agree with/prefer ~.
1つの場合:
I agree with/ prefer ~~.
Because, (理由を簡潔に述べる).
+補足説明1文
+具体例1文
(+補足1文)
For this reason, I agree with/prefer ~.
これを言っていれば、45秒は過ぎると思います。
1、2問目: 大学についての知識
Speakingの1問目では、personal questionと題して大学のシステムなどについての意見が聞かれます。2問目では、大学からのアナウンス等について学生どうしの会話を聞きます。Listeningでも、大学のカウンセラーや教授と学生の会話が出題されます。
そういう問題のときに困った英語以外の壁が、文化の違い、大学システムの違いでした。わからないことがあったら適宜調べるのが良いでしょう。
特にSpeakingのTask1,2で困らないための、私が気づいた文化の違いを書いておきます。記憶で書き起こしているので、念のため裏取りしたほうが良いと思いますが......。
- 入試、編入システム:アメリカの大学入試はテストだけでなく、共通テスト(SAT)の結果、ボランティア、面接など様々な要素で決まる。SATの結果を提出し、行きたい大学に応募すると、受け入れの可否が判断される。短大のようなところに行ってから大学に編入するのも珍しくない。
- On/Off Campus:キャンパス内に寮がある。キャンパス内のことをOn-Campusといい、寮に住んでいる人はOn-Campusに住んでいると言う。寮ではなく学校の外で下宿している人たちをOff-Campusに済んでいると言う。アルバイトも、On-Campusで学校の施設で働く場合とOff-Campusで一般的なお店等でバイトする場合とがある。
- Counseling/Adviser:スクールカウンセラー、事務の相談窓口などがしっかりしており、困ったことがあれば相談できる。教授にもオフィスアワーなどで気軽に会いに行き、進路の相談や成績の交渉をすることができる。
問題を解きながら私が気づいたのはこのような点です。なにかの参考になればと思います。